相場は不確実です。絶対はありません。つまり必ず勝てる方法などはありえないということなのです。なぜ相場は不確実なのでしょうか?
それは相場を動かす人が毎回同じではないからです。
相場を動かす人が毎回同じ判断を下すとは限らないからです。
そして相場にだれが参加しているのかを把握することもできません。
百歩譲って相場の参加者を全員把握できたとしても、その行動までを把握することは不可能であるということは想像に容易いのです。
相場の不確実を受け入れることができないと、いつまでもトレードに苦しみが残ります。なんとか上手くやりたい。その思いはもって然るべきなのだと思います。トレードを上手くなりたい気持ちや態度は向上心につながり、相場に取り組む姿勢を育みます。しかし、相場で上手くあろうという態度が、相場を掌握したいという間違った考えに方向が向いてしまうと、途端にトレードが苦しくなるのです。
相場は不確実です。掌握することはできません。必ず勝つという方法もありません。トレードが上手くなりたい。それはトレーダーとして当然の思いです。その思いを持つこと自体になんの問題もありませんが、必ず勝つという発想、または、それに近い発想をもつことで、相場の不確実を認識できていないということになるのです。
相場で勝とうとするのではなく、相場の不確実を受け入れ、自分のやれることだけやることに専念します。チャートを分析する。チャートに従う。相場を読む、地合いを読む。そうして判断したトレードであれば、なんの問題もないのです。
たとえそのトレードが損切りになったとしても、それは相場が相手であればしかたのないことなのです。あなたが相場に対してできることは、相場を読んでチャートを読むことだけです。そうして自分が納得のいくトレードを淡々と継続していくしかないのです。相場は不確実、なんでも起こりえます。そのすべてを把握することができない以上、相場の不確実を受け入れるしかないのです。
私たちトレーダーにできることは、相場の不確実を受け入れたうえで、優位性に賭け、確率に賭けることだけです。相場で上手くなりたい気持ちや向上心は、相場を読むことやチャートを読むことにぶつけましょう。私たちがいくら努力したところで、相場の不確実を捻じ曲げることはできません。それを把握することもできません。あくまで予測や優位性という実にあいまいなものにしかすぎないのです。しかし、相場の不確実を受け入れ、自らの相場観を養っていけば、必ず相場を予測する精度は上がります。
相場を読むこと そしてチャートを読むこと。私たちにできることの最善を尽くしたのならば、あとは相場に身をゆだねるしかないのです。しかし、そうして培った経験は必ず強いトレーダーを育みます。相場を読み、チャートを読み、結果は相場にゆだねること。それを意識して相場に取り組んでいけば、必ず裁量力は鍛え上げることができます。
相場に対して向上心を持つことは当然の態度です。しかし、その向上心を相場を掌握しようとすることに向けてしまってはいけません。私たちにできることは優位性に賭け確率に賭けるだけなのです。